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全国の営農型太陽光発電の記事一覧

世界初の水稲+垂直ソーラーシェアリング、北陸の地で発電開始です。

2024年4月25日、 日照量や積雪の影響で営農型太陽光発電の普及が遅れている北陸の地で 晴天に恵まれ、垂直ソーラーシェアリング+酒米の竣工式が執り行われました。発電事業者は、お酒造り創業150年を迎える株式会社吉田酒造店様です。7代目である吉田泰久氏の想いである「ミライへ繋ぐ、持続可能な酒造り」を実践する形で酒蔵などで使用する電力を100%再生可能エネルギーへシフトする事になりました。今回の自然エネルギーへのシフトは蔵の周りの自然を守り、100年先もこの地で酒造り続けたいという願いと、自家発電による地球温暖化を少しでも阻止できるという想いからでした。

写真左:マッキンエナジージャパン竹内社長 写真中央:七代目 吉田泰之氏 
 写真右:株式会社アップデーター坂本氏

吉田酒造店は明治3年(1870年)、石川県白山市で創業されました。吉田酒造店のモットーは「和醸良酒」の心。人の和が良い酒を醸し、良い酒が人の和をつくる。美味しい=楽しい=幸せの和から導き出される「食事と会話に寄り添うお酒」を醸しています。2020年に創業150年を迎えるとともに、若き七代目吉田泰之氏に代替わりを果たしました。銘柄は「手取川」と「吉田蔵u」:よしだぐらゆー、の二つ。「手取川」は長く愛され続けてきた伝統の味わいを受け継ぎ、 「吉田蔵u」 は地酒本来の姿に立ち戻った未来へ繋ぐための酒造りを実践しています。

伝統ある風格の玄関
垂直ソーラーシェアリング+水田(酒米)

垂直ソーラーシェアリングは、狭い農地や畦畔を利用して設置する事ができます。積雪地域では通常の太陽光では発電がストップしてしまいますが、垂直型は積雪することがないので発電に影響はありません。また、雪によるアルベド(輻射光)値が高いため発電量の増量に繋がります。

水田におけるトラクターなどの農業機械も屋根型と違って、高さ制限がない事で容易に操作する事ができます。一般的な太陽光発電は南中時に最も発電しますが、垂直型は朝夕の発電が最も発電できる時間帯となり、太陽光の低い時期でも十分な発電をしてくれます。また、災害時においてもパネルからの直接電力を受ける事でスマートフォンや充電式の機器に給電する事ができます。

吉田酒造店様では令和6年1月の能登半島地震により被災された能登の酒蔵を支援する「被災日本酒造共同醸造支援プロジェクト」を立ち上げています。本プロジェクトは、震災により酒造りの継続が困難になってしまった酒蔵の復興を支援します。被災蔵が全国の蔵とともに共同で酒造りを行い、被災蔵の銘柄を酒屋さんを通して市場に流通させることでお金の循環が生まれ続ける仕組みを作っています。今回のソーラーシェアリングで発電された電力は、この酒造りにも使われることとなります。

水田のソーラーシェアリング、右の建物のお酒の瓶詰工場で電力自家消費されます。

単結晶N型ヘテロ接合モジュール・両面ガラス・両面受光を使用した、日本初?の垂直営農型太陽光発電が誕生!

日本国内における食料生産とエネルギー生産に関する問題の有力な解決策として近年ますます注目が集まる営農型太陽光発電。ソーラーシェアリングの普及を開始して11年になりますが、営農型の形態も時代の流れを受けて形態も様々になってきました。今回紹介するのは、ドイツでも先行設置されている垂直型のソーラーシェアリングです。ついに日本初?……。農地の一時転用許可を受けて設置されました。設置したのは、マッキンエナジージャパン。その発電所の概要を紹介します。

写真のようにモジュールが垂直に設置され、両面発電N型HJT((ヘテロ接合両面モジュール)を使用。裏面の発電効率が表面に比べて92±3%(カタログ値)という製品です。設計基準については国内風速基準および設計基準に準拠するように、地盤調査や地耐力調査も行っており、強風に対する十分な耐力を確保しています。

太陽電池には数沢山の種類がありますが、このヘテロ接合型はメリットが沢山あります。

“ヘテロ接合とは、性質の異なる物質同士を接合することで、英語の「hetero」で、日本語訳では「異なった」という意味を持っています。太陽光電池には数々の種類がありますが、通常の太陽電池が単結晶シリコン太陽電池です。同一の結晶構造を持つ半導体同士をつなぎ合わせているのが特徴ですが、高温の場所では変換効率が低くなるのがデメリット。これに対してヘテロ接合太陽電池は、異なる性質のシリコンがお互いの欠点を補完しあえるのがメリットです。高温になりやすい夏場でも変換効率が高いことに期待されています。しかし、構造が複雑で製造コストが高いというのがデメリットです。

この構造をご覧になった方はピンときたでしょう?そうです、サンヨー電機が開発して、後にパナソニックが取り扱ったHITの構造です。

上記画像を見ていただいてわかるように、太陽光が東から照射される時点から素早い発電を発揮して、南中度には発電量は落ちますが、太陽光が西に傾くと発電をするという2回のピーク発電です。他の太陽光発電と比べてピークのタイミングが異なるため系統に負荷をかけず、バランスがうまく取れる発電設備といえます。また、冬場や太陽光の照射角度が低い時期ほど発電電力量が増えていきます。

設備の下?横?で生育する農作物についての実証を行っていますが、既存の遮光率などの計算では0%に近い数字になっていますが、当然影の影響は受けると思いますので、どのような作物を選べばいいのかは、実証(東京大学共同研究を予定)を行ってから皆様にはお知らせしたいと思っています。

設備に関するお問い合わせ:株式会社マッキンエナジージャパン 

   〒532-0011 大阪府淀川区西中島7-1-26 06-6195-8226

    Mail:info@mackin-energy.co.jp

三重県志摩市にブルーベリー農園が完成!226.8Kw

志摩市の荒廃地指定農地に226.8Kwの営農型太陽光発電設備が完成しました。

設備下部では養液栽培のブルーベリーの苗木が植えられました。単純遮光率は約45%程度で720枚のモジュールで構成されています。

美濃加茂第1発電所(第一種農地一時転用許可:水田)

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設置場所 美濃加茂市蜂屋町 
発電出力 49.0kW (遮光率32.0%)  
パネル仕様 HTソーラー社製 100w×490枚  
パワコン容量 43.5kW (5.5kW×7、5.0kW×1)
作付け作物 米(ハツシモ)
発電施設面積 約925㎡ (水田面積約1,800㎡)
年間予想発電量 約59,000kWh
売電先・開始年月 中部電力㈱ 2015年6月

岐阜第2発電所(市街化区域農地一時転用届出:畑)

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設置場所  岐阜市東改田(ヒガシカイデン)
発電出力  53.0kW ×2区画 (遮光率65.6%)  
パネル仕様 HTソーラー社製  100w×530枚×2区画  
パワコン容量 45.0kW (5.0kW×9) ×2区画
作付け作物  榊(サカキ) 
発電施設面積 約1,021㎡  (2区画合計)
年間予想発電量 約128,300kWh(2区画合計)
売電先・開始年月 中部電力㈱2015年5月、6月

各務原第1発電所(第一種農地一時転用許可岐阜県第1号:畑)

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設置場所 各務原市鵜沼羽場町 
発電出力 50.4kW (遮光率30.2%)
パネル仕様 HTソーラー社製 100w×504枚  
パワコン容量 49.5kW (5.5kW×9)
作付け作物 里芋・小松菜 
発電施設面積 約985㎡
年間予想発電量 約61,000kWh
売電先・開始年月 中部電力㈱ 2014年5月

福井県おおい町の営農型太陽光発電(自家消費型)完成しました

おおい町(マッキン)BB2

今回は、福井県おおい町にてブルーベリーの設置が完了したので報告させていただきます。
福井県おおい町のソーラーシェアリングは9月頃に設置完了しておりましたが、植付時期の問題で12月の設置になりました。

今回の案件のシステム
パネル容量:15kw
パワコン容量:10kw
作物:ブルーベリーポット式養液栽培(自動潅水装置導入)

福井県おおい町ではソーラーシェアリングの下でブルーベリー栽培は初めてになるみたいです。実験ということもあり、小規模ですが完全自家消費モデルの設計です。

これからの次世代農業では電気を使用して作物を栽培するシステムが増えてきています。電動の農業機械や温度管理、作物管理など人が毎日農場に行って作物の様子をみな
くてもよい時代になってきましたね
今回の養液栽培のブルーベリーもコンピュータで管理されていて、自動で潅水や肥料をポットに流してくれます。規模にもよりますが、収穫を除けば週1回ほどで管理することが可能です。電気を使用してシステム化することにより、これまでより簡単で美味しい作物が安定して作ることができると思います。

また、今回のシステムは防草シートを敷いてポット栽培ということもあり、汚れることもなく農業をしたことのない方でも栽培できますし、知的障害者の方や介護施設の方でもお手伝いしてもらうことができます。

ソーラーシェアリングを老人ホームで栽培のお手伝いや、ポットなので移動ができるため、収穫を老人ホームや介護施設などでイベントとして開催するのも面白いですね!

おおい町(マッキン)BB

岡山県倉敷市 市街化区域での営農型太陽光発電

岡山県倉敷市(虫上)

今回紹介するのは、岡山県倉敷市の営農型太陽光設備を設置された虫上さんです。
写真を見てもわかるように設置された農地は市街化区域内第2種農地です。元来市街化農地は農地法の一時転用許可が必要なく、届け出で設置ができる農地です。
虫上さんは、子供のころから遊んでいた農地がどんどん無くなっていくことに疑問を持ち、少しでも農地を残していけるソーラーシェアリングを選んだようです。
しかも収量の報告や問題なくお米が育つことなどを確認するために、あえて一時転用許可を選択しました。
これを受けた倉敷市の農業委員会では、このようなケースは初めてのことでずいぶん時間がかかって許可が出ました。
私も農業委員会に出向き、一時転用許可申請のサポートをさせていただきました。
虫上さんは、大手メーカーの技術者を長く勤めていたこともあって作物に対する影の影響を懸念され技術的に見える化を進めています。

 

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